坂本長利プロフィル
1929年  10月14日 島根県出雲市生まれ。
1951年  劇団「ぶどうの会」研究生として入会。
        (当時は『山本安英とぶどうの会』と称した。
1964年  劇団解散
1965年  演劇集団『変身』を結成。小劇場運動の先駆となる。
1971年  『変身』解散後、舞台・映画・テレビなどに出演。
1967年  この年から”出前芝居”として一人芝居『土佐源氏』を
        日本はもとより海外でも公演。
1986年  昭和60年度・紀伊国屋演劇賞特別賞を受賞。
1996年  1月広島・因島公演で1,000回を突破。

坂本長利 一人芝居
土佐源氏
極道の末、元馬喰の一代記
山口県大島郡東和町出身の民俗学者・宮本常一氏の著書
『忘れられた日本人』の中の「土佐源氏」を一人芝居化。
高知県檮原町で聞き書きした元馬喰の一代記。
  百目ろうそくの灯りで演出効果を出し、
   人の情けをたくみな語りで演じる。 

 極道の末に盲目の乞食に身を落した元馬喰の一代記、その色働悔ともいうべき物語。民俗学者の宮本常一氏が土佐梼原村(ゆすはら)の橋の下で実際に本人から聞いた話(昭和十六年)をもとにしたもの。
  私生児として月足らずに生まれた生いたち、人を騙し儲けなければならない馬喰渡世の日々。そして何人もの"かもうた女ご”の中でも、特に忘れることのできない二人の女ごとの思い出。それはこの老人にとって一番の真実でもあり、財産でもあった。優しかった女ご達のことを思い出して老人は言う。
 「男ちゅう男はわしのことを信用せんかったがのう、どういうもんか、女
ごだけは皆わしの言いなりになった。わしにもようわからん。けんど男が皆女ごを粗末にするんじゃろう」「わしはなあ、人は随分騙したが、牛だけはウソがつけんだった。女ごも同じでかまいはしたが騙しはしなかった」素朴な語り口の中に凄絶な老人の生き様と、男女の間の機微、明かすことのできの秘め事を抱えた女の切なさ、その女を想う男の優しさがあふれている。
 老人の魂が、役者坂本長利に宿る、一時間十分の作品。
 昭和四十二年、新宿にあったストリップ小屋の幕間狂言に始まり、自ら「出前芝居」と称し、全国各地をめぐって演じ続けてきた独演劇である。

ものがたり

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